
この記事では、美容室の平均価格について、2025年の確定データと2026年の予測市場価格もとに、メニュー別・地域別・価格帯別に徹底解説します。
あなたのサロンの価格設定が「安すぎる」のか「適正」なのかを客観的に判定できるようになります。
- 「カット+カラーで12,000円は高すぎる?」
- 「お客様が離れてしまわないか不安で値上げに踏み切れない…」
- 「原材料費も人件費も上がっているのに、価格を上げられず、利益がどんどん削られている」
このような悩みを抱えている美容室経営者の方は、決して少なくありません。
しかし、「平均価格」に合わせた料金設定を続けることは、サロン経営における最大のリスクです。
2026年以降も物価高騰は避けられない現実です。
適正価格への改定は、サロンとスタッフを守り、お客様に質の高いサービスを提供し続けるための経営者としての責任です。
値上げに対する不安を解消し、高単価メニュー導入で客単価を1.5倍にする実践的な方法まで、明日から使える内容を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
美容室メニュー別・地域別 平均価格データ
こちらでは、美容室メニュー別・地域別 平均価格予測データを解説します。
メニュー別 平均価格・中央値(全国平均)
全国平均のメニュー別 平均価格・中央値は以下の表にまとめました。
| メニュー | 低価格帯 (チェーン・QB等) | 中価格帯 (一般サロン) | 高価格帯 (専門・高級) |
|---|---|---|---|
| カット | 1,500円 〜 2,800円 | 4,500円 〜 6,000円 | 8,000円 〜 15,000円 |
| カラー(フル) | 4,000円 〜 6,000円 | 8,000円 〜 11,000円 | 15,000円 〜 25,000円 |
| 髪質改善(単体) | 6,000円 〜 8,000円 | 10,000円 〜 15,000円 | 20,000円 〜 35,000円 |
| 客単価(平均) | 4,500円 〜 6,500円 | 10,500円〜13,000円 | 18,000円〜30,000円 |
ここで注目すべきは、髪質改善メニューにおける「高価格帯」の伸びです。
「トリートメント以上、縮毛矯正未満」のニーズがさらに成熟し、2万円を超える設定でも「専門性」があれば十分に集客できる市場になっています。
【地域別】カット+カラーの相場感
「東京が高いのは当たり前」という言い訳はもう通用せず、地方都市でも二極化が進んでいます。
| エリア | 相場価格(中価格帯) | 特徴・傾向 |
|---|---|---|
| 東京都心部 | 15,000円 〜 18,000円 | ・インフレに最も敏感 ・2万円超えのサロンが増加傾向 |
| 大阪・名古屋等 | 12,000円 〜 14,000円 | 価格競争も激しいが、特化型サロンの単価向上が顕著。 |
| 地方都市(県庁所在地) | 10,000円 〜 12,000円 | 1万円の壁を越え始める 低単価店との二極化が進む |
| 地方郊外 | 8,500円 〜 10,000円 | 人口減により「客数」ではなく「客単価」へ舵を切る店が増加。 |
「周りと同じくらいの価格なら安心」 と思っていると、サロンの体力を奪っていくことになります。数字で見れば、値上げが「選択」ではなく「必須」であることが分かります。
また、美容業界を取り巻く環境も変わってきており、主に以下の現状も目を向けないといけません。
美容業界が置かれる環境
- 光熱費: 2021年比で約1.3〜1.5倍。ドライヤー、セット椅子、空調のコストが利益を圧迫。
- 材料費: 各メーカーが10〜20%の卸値改定。
- 求人コスト: 採用コストが上昇し、現状維持のままでは給与でも競合に勝てない
こういった現状の対策としても、平均価格を上回る価格設定が必要になってきています。
美容室のメニュー別平均価格と客単価の相場
こちらで提示するデータは、ホットペッパービューティーアカデミーの調査、厚生労働省の「生活衛生関係営業経営実態調査」に基づいています。
カット・カラー・パーマの価格帯別分布(低・中・高単価)
美容室の料金は、「低価格帯」「中価格帯」「高価格帯」という大きく3つの価格帯に分類できます。
それぞれの価格帯における主要メニューの料金相場は以下にまとめました。
| メニュー | 低価格帯 | 中価格帯 | 高価格帯 |
|---|---|---|---|
| カット(女性) | 2,000〜3,500円 | 4,000〜6,000円 | 7,000〜12,000円 |
| カット(メンズ) | 1,500〜2,800円 | 3,000〜4,500円 | 5,000〜8,000円 |
| カラー(リタッチ) | 3,000〜5,000円 | 5,500〜8,000円 | 8,500〜12,000円 |
| カラー(フル) | 4,500〜7,000円 | 8,000〜12,000円 | 13,000〜22,000円 |
| カット+カラー | 6,000〜9,000円 | 10,000〜15,000円 | 16,000〜28,000円 |
| パーマ | 5,000〜7,500円 | 8,000〜12,000円 | 13,000〜20,000円 |
| トリートメント | 2,000〜4,000円 | 5,000〜8,000円 | 9,000〜15,000円 |
| 髪質改善メニュー | — | 10,000〜15,000円 | 16,000〜25,000円 |
この表から分かる通り、中価格帯が最もボリュームゾーンであり、多くのサロンがこの範囲に収まっています。
それぞれの平均値は以下の通りになっています。
全国平均の目安
- 女性カット:約4,800円
- メンズカット:約3,500円
- カット+カラー(女性):約12,000円
- 髪質改善トリートメント:約13,000〜15,000円
中価格帯が全国平均に最も近い価格帯ですが、高価格帯のサロンも確実に存在し、予約が埋まっているという事実です。
重要なのは、同じ商圏内の競合サロンとの比較と、自店が提供できる価値に見合った価格設定です。
美容業界を襲う「コスト増」の正体と適正利益の考え方
「値上げしたいけど、お客様が離れるのが怖い」という気持ちは、よく分かります。
しかし、値上げをしないことのリスクについて、冷静に考えておく必要があります。
2026年現在、美容業界を取り巻く経営環境は急速に悪化しています。以下のデータを見ると、値上げは避けられない状況です。
| コスト項目 | 2020年 | 2025年 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| カラー剤(平均) | 1,200円/本 | 1,650円/本 | +37.5% |
| 電気代(月間平均) | 4.5万円 | 6.8万円 | +51% |
| ガス代(月間平均) | 1.2万円 | 1.9万円 | +58% |
| 最低賃金(全国平均) | 902円 | 1,054円 | +16.9% |
このように、わずか5年間で原材料費は30〜40%、光熱費は50%以上も上昇しています。にもかかわらず、サロンの料金を据え置いたままでは、利益はどんどん削られていきます。
適正利益率の考え方
健全な美容室経営のためには、以下の利益率を確保する必要があります。
- 材料費(原価率):売上の20〜30%以内
- 人件費率:売上の40〜50%以内
- 家賃・光熱費など固定費:売上の15〜20%以内
- 営業利益率:売上の10〜15%以上(理想)
現実には多くのサロンが営業利益率5%未満で運営しており、少しでも客数が減れば赤字に転落するギリギリの状態です。
つまり、値上げは「やりたいこと」ではなく「やらなければ生き残れない」必須の経営判断と言えます。
損益分岐点から逆算する「生き残るための最低単価」
価格は本来、「提供する価値」と「必要な利益」から逆算して決めるべきものです。
まず知るべきは、「いくら売上を上げないと赤字になるのか」という損益分岐点です。
損益分岐点の計算式は以下の通りです。
損益分岐点売上の計算式
損益分岐点売上 = 固定費 ÷ (1 – 変動費率)
- 固定費:家賃、人件費、光熱費、通信費、リース料など(毎月必ず発生する費用)
- 変動費:材料費、クレジットカード手数料など(売上に応じて変動する費用)
- 変動費率:変動費 ÷ 売上高
例えば、あるサロンの月間コストが以下の通りだとします。
| 家賃 | 20万円 |
|---|---|
| 人件費 | 50万円 |
| 光熱費 | 8万円 |
| その他固定費 | 2万円 |
| 固定費合計 | 80万円 |
| 材料費(変動費率30%と仮定) | — |
この場合の損益分岐点売上は、損益分岐点売上 = 80万円 ÷ (1 – 0.3)= 約114万円。
つまり、月商114万円以下では赤字ということです。では、月に30万円の利益を出したい場合は以下の計算式になります。
目標売上 = (固定費 + 目標利益)÷(1 – 変動費率)= (80万円 + 30万円)÷ 0.7 = 約157万円
月間の客数が200人だとすると、必要な客単価は、必要客単価 = 157万円 ÷ 200人 = 7,850円
現在の客単価が6,000円だとしたら、最低でも1,850円の値上げが必要という結論になります。
このように、「いくらに設定すべきか」は、感覚ではなく数字で明確に導き出せます。
高単価でも「次も来たい」と思わせる価値設計の3大原則
「平均価格より高く設定したら、お客様が来なくなるのでは?」という不安は、多くの経営者が抱えています。
確かに、値上げをするだけでは客離れになりかねません。
こちらでは、高単価でも選ばれるサロンが実践している「価値設計の3大原則」を、具体的な実践方法とともに解説します。
1. 「髪を切る」から「悩みを解決する」へのコンバージョン
低価格サロンと高価格サロンの最大の違いは、「何を提供しているか」という認識の差です。
- 低価格サロン:「髪を切る」「髪を染める」という作業を提供
- 高価格サロン:「お客様の悩みを解決する」という価値を提供
この違いは、価格設定に直結します。なぜなら、作業には相場があるが、悩み解決には相場がないから。
「悩み解決型サロン」になる最も効果的な方法は、特定の悩みに特化することです。
「何でもできます」ではなく、「これが得意です」と打ち出すことで、高単価でも選ばれるサロンになれます。
| 専門特化の例 | 解決する悩み | メニュー料金例 |
|---|---|---|
| 髪質改善専門サロン | うねり、パサつき、広がり、ダメージ | 15,000〜25,000円 |
| 白髪ぼかし専門サロン | 白髪を自然に目立たなくしたい | 12,000〜18,000円 |
| エイジングケア専門サロン | 年齢による髪の変化(細毛・ボリューム不足) | 10,000〜20,000円 |
| デザインカラー専門サロン | 個性的なスタイルを実現したい | 15,000〜30,000円 |
| くせ毛専門サロン | くせ毛を活かしたスタイル提案 | 10,000〜18,000円 |
専門特化することで、以下のメリットが得られます。
専門特化のメリット
- 価格競争から抜け出せる:「○○専門」というポジションは代替が効かない
- 口コミが広がりやすい:「○○で悩んでいるなら、あのサロンがいいよ」と紹介されやすい
- リピート率が高い:悩みが解決されれば、継続して通ってもらえる
- Instagram・SNSで発信しやすい:ビフォーアフターが明確で、視覚的に伝わりやすい
特に髪質改善専門サロンは、高単価化しやすいポジションです。
なぜなら、エイジング世代(30代後半〜50代)の「うねり・パサつき・まとまらない」という悩みは非常に深刻です。
そのため、悩みを解決するためには、15,000円〜20,000円を払う価値があると感じてもらえるからです。
滞在時間1分あたりの価値を最大化する「顧客体験」
高単価サロンと低価格サロンのもうひとつの大きな違いは、「顧客体験の質」です。
低価格サロンは「回転率」を重視します。1人のお客様にかける時間を短くし、1日に多くのお客様をこなすことで売上を作ります。
一方、高単価サロンは「滞在時間1分あたりの価値」を最大化することに注力します。
| 項目 | 低価格サロン | 高単価サロン |
|---|---|---|
| カウンセリング時間 | 3〜5分 | 15〜20分 |
| 施術時間(カット+カラー) | 60〜75分 | 90〜120分 |
| 仕上げ・スタイリング説明 | 5分 | 10〜15分 |
| 総滞在時間 | 70〜85分 | 120〜150分 |
| 料金 | 8,000円 | 18,000円 |
| 1分あたりの単価 | 約94円/分 | 約120〜150円/分 |
高単価サロンは時間をかけていますが、1分あたりの価値は低価格サロンより高いのです。
高単価サロンには、メニューの他にも以下の価値を提供しています。
| 時間の価値 | 詳細 |
|---|---|
| 丁寧なカウンセリング | ・髪の悩みを深くヒアリング ・ライフスタイルに合わせた提案 ・ホームケアのアドバイス |
| 質の高い空間体験 | ・個室またはセミプライベート空間 ・高級感のある内装・家具 ・こだわりのドリンクサービス ・心地よい音楽・香り |
| 施術の丁寧さ | ・髪の状態を見極めた薬剤選定 ・ダメージを最小限にする施術技術 ・仕上がりへのこだわり |
| アフターフォロー | ・スタイリング方法の丁寧な説明 ・自宅でのケア方法のアドバイス ・次回の来店提案 |
また、このカウンセリングプロセスを仕組み化・マニュアル化することで、スタッフ全員が高単価メニューを提案できる体制が作れます。
この体制が取っているのがRAPOLです。
カウンセリングプロセスには、タブレットを使用することで、カウンセリングの質を落とすことなく、サービスを提供できています。
継続を前提としたメニュー構成|松竹梅の法則とアップセル
高単価化を実現する最も効果的な方法は、メニュー構成の最適化です。
多くのサロンが「カット」「カラー」といった単品メニューしか用意していませんが、これでは客単価は上がりません。
高単価サロンは、「松竹梅の法則」を活用し、お客様が自然と高単価メニューを選びやすい設計をしています。
松竹梅の法則とは、人間は3つの選択肢があると、真ん中を選びやすいという心理的傾向のことです。これを価格設定に活用すると、以下のようになります。
| グレード | メニュー例 | 価格 | 選択率 |
|---|---|---|---|
| ベーシック | 通常トリートメント | 3,000円 | 20% |
| スタンダード | システムトリートメント | 8,000円 | 50% |
| プレミアム | 髪質改善トリートメント | 15,000円 | 30% |
このように3段階で設定すると、約50%のお客様が真ん中を選び、30%が最高価格(15,000円)を選ぶという結果になります。
もし「3,000円の通常トリートメント」しか用意していなければ、客単価は3,000円止まりです。
しかし、15,000円の選択肢を用意することで、平均客単価は約9,500円(3,000×0.2 + 8,000×0.5 + 15,000×0.3)になります。
つまり、高額メニューを用意するだけで、客単価が3倍以上になるのです。
さらに客単価を上げる「アップセル」の仕組みとして、以下のタイミングで行うことで、さらに客単価を上げられます。
- カウンセリング時
- 施術中
- 会計時
このように、メニュー構成の最適化とアップセルの仕組み化によって、客単価を1.5倍〜2倍に引き上げることが可能です。
平均価格を超える勇気がサロンの未来を創る
2026年以降も、美容室経営の二極化は止まりません。
- 「平均」という名の安売りで、物価高に飲み込まれ消えていくサロン。
- 「価値」という名の高単価で、スタッフの給与を上げ、投資を続けるサロン。
どちらを選ぶかは、今この瞬間の「価格設定」にかかっています。
美容室の平均価格は、適正価格ではありません。安売りになっていることが多く、疲弊する一方です。
RAPOLシステムでは、2,000円〜3,000円の単価アップを実現しており、値上げについても成功している美容室を輩出しています。
「平均価格にとらわれて、なかなか経営が楽にならない」、「お客様に高いと言われず価値提供をしたい」という美容室・サロンのオーナーさんはぜひ、弊社までお気軽にお問い合わせください。
サロンの価格設定でよくある質問(FAQ)
Q. 周りのサロンが値下げキャンペーンを始めたら?
A. 無視してOKです。
彼らが売っているのは「安さ」であり、あなたが売るのは「美しさの持続」です。ターゲット層が全く違うため、競合ではありません。
Q. 昔からの常連客だけは据え置きにしたい…
A. 絶対にNGです。
特別扱いは既存顧客内での不公平感を生み、後に発覚した際の信頼失墜リスクが高すぎます。全員一律が鉄則です。
Q. RAPOLは導入後すぐに利益が出る?
A. お客様の来店サイクルで利益の変化を感じます。
どのサロンさんでも、お客様が次に来店するサイクル毎に利益が出ていることを実感されます。
どれくらいサロン内に浸透させるかによりますが、高単価メニューを7人施術するだけで原価(薬剤費除く)は回収できます。
何より、値上げをするロジックがわかるため、値上げによる利益は比較的早く出ることが多いです。